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モートン島

モートン島

ブリスベンの東にあるモートン島にはタンガルーマ・ワイルド・ドルフィン・リゾートがあり、毎夕、野生のミナミハンドウイルカの餌付けが行われています。ブリスベンから専用の船で1時間20分と交通の便も良く、日帰りする観光客も多いようです。
リゾートの中ではさまざまなアクティヴィティも用意されており、海水浴はもとよりシーカヤック・スノーケリング・ダイビングなどの海の遊びやバス遊覧・4WDドライブ・砂滑りなどの陸でのツアーにさまざまなスポーツと、いろいろ楽しめます。カジュアルなリゾートなので、ブリスベンに住んでる人も気軽に週末を過ごしに来てるようでした。

2003年10月29日〜11月1日

桟橋昼の間はリゾートのいろいろなツアーに参加したり浜でくつろいだりしていた観光客たちが、日没前の18時頃から、三々五々、砂浜にある桟橋に集まってきます。と、待つほどに、沖からイルカがやってきます。1頭・2頭と背ビレが現れ、じきに浜までくると、桟橋のすぐ下を行ったり来たりします。毎夕、ほぼ必ず、5〜8頭のイルカがやってくるそうです。
やがて、桟橋の上は集まった人々でいっぱいになります。18時30分頃から、スタッフがマイクでイルカについての簡単な説明と餌付けの注意をアナウンスします。
そのあとがいよいよ餌付けタイムです。餌付けチケットを持った観光客がその色ごとに呼び出され、浜に4列に並びます。そして、それぞれの列ごとに2名のスタッフがつきます。
ちなみに、この餌付けチケットは、宿泊する観光客は1枚づつ貰えます。但し、1泊でも3泊でも5泊でも、1枚です。泊まらない人は餌付けはできず見てるだけと聞いていたのですが、どうやらブリスベンからイルカの餌付けをするツアーが出ているらしく、そのツアー参加者は日帰りでも餌付けができるように見受けられました(このあたりは確かめたわけではありませんけど、そうと見られるグループが毎夕いたので。グループは、餌付けが終わり次第、また船でブリスベンに帰っていきました)。
イルカさて、行列に並んだ観光客は、1人もしくは2人づつ、順番が来たらまずバケツの消毒液に手を浸してから、魚を持ち、スタッフの指示に従って膝の深さくらいまで海に入ります。イルカのほうも1頭か2頭づつの4グループにちゃんと別れていて、それぞれの列の先で待ってます。そして人が海に入って行くと、それに合わせて近付いてきます。イルカのそばまで来たら、スタッフの合図で魚を持った手を水中に入れると、イルカがぱくっとそれをくわえます。スタッフが渡してくれたお代わりを、また同じようにイルカにやります。スタッフが合図をすると、人も浜へ帰り、イルカも人から離れて数メートル沖に行き、また次の人が入ってくるのを待ちます。
それを、各列30人以上はいたでしょう、何回も何回も繰り返します。人によっては、うまく餌を与えられなかったのか、お代わりを2度やってる人もいます。なので、全部の人が餌付け終わるまで小一時間はかかります。桟橋には、餌付けをしない人や順番を待っている人、すでに終わった人がずらっと並んで、その様子を見守ります。
最後に、余った魚を桟橋の上からスタッフが投げると、それを食べて、イルカたちは去っていきました。
餌付けを体験した観光客は、それぞれ間近で見られるイルカたちに喜んでいたようです。
イルカ実際に餌付けをしてみた私の感想はといえば、うーん、率直に言って、あまり楽しめなかったですね。餌をやるときには水中のイルカを足下に見下ろすわけですが、頭の上の部分が見えるだけで、相手の眼も見えず表情も解らず、ただ魚をくわえて引っ張る力がけっこう強いなと感じただけでした。なんだか、イルカにとっては、餌を与えるのが私だろうが他の誰だろうが、よしんば機械だろうが同じことのようで、目の前のイルカとの間に何のコミュニケーションも持てないのがサビシイ気がしました。
同じように野生のイルカに餌付けしている場所としては、西オーストラリアのモンキーマイアが有名ですが、比べてみると、いろいろ違うように感じました。
何よりも、イルカたちがあまりにも時刻ぴったりにやってきます。私たちはこのリゾートに3泊したのですが、毎夕きちんと決まった時刻にやってくるイルカたちにはびっくりさせられました。まるで訓練されたような、それはそれは規則正しい動きでした。リゾートにある教育センターではイルカたちの出席簿が付けられていますが、それを見ても、決まったイルカがほとんど毎夕現れていることが解ります。
また、餌付けで与えられる魚の量はかなり多いです。依存度が高くなりすぎないかしらと、ちょっと思いました。
出席簿個人的には、夕方の餌付けとはまったく別に、昼にカヤックしてるとき思いがけず現れたイルカたちが嬉しかったです。せっせと慣れないパドルを動かしてたら、ブローの音がするのです。おや、と辺りを見回すと、水面上に黒い背ビレが。あっと思う間にすーっと潜っては、また別の方向に浮上します。今度はどっちに出るだろうと眼で追ううちに、どんどん近付いてきてくれちゃいました。ボートの上から見るのとは違って、水面が近いカヤックから見る彼らの姿が新鮮でした。イルカたちはじきに行ってしまったけど、その動きの素早さと素っ気なさもいかにも野生の生きものらしくて。

それにしても、ブリスベンという大都会からこんなに近いところで野生のイルカを容易に見られるのは、凄いですね。イルカが現れる確率は99%以上とのことでした。餌付けが始まって10年以上たつ今では、ここのイルカについての個体識別や家族関係などの調査も進んでいるようでした。

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